「寝るときのエアコン、何度にすればいい?」
数字ひとつで決められたら、楽ですよね。
この記事の答え
- エアコンの設定温度と、布団の中の温度は別のものです。
- 研究に出てくる「よい温度」は、人や服、布団の条件で変わります。
- まずは「いつ・どこが」暑いか寒いかを分けて、ひとつずつ見直しましょう。
でも同じ設定でも、布団を一枚足すと暑い。風が当たる肩だけ寒い。二人で寝ていると、暑い・寒いが合わないこともあります。
01 三つの温度エアコンの数字は、布団の中の温度ではない
リモコンの数字は、エアコンの目標です。部屋の空気の温度とも、体のまわりの温度とも違います。
体と布団の間のすき間(寝床内)は、体の熱や汗でも変わります。部屋の温度計では測れません。[3]
図
「温度」は、三つの場所に分けて考える。
エアコンの目標。布団のそばの温度ではない。
温度計は、寝る場所の近くに置いて見る。
パジャマや掛け方でも変わる。
SHINGU TANK 独自作図 / 仕組みを説明する図です。
02 研究から研究の「よい温度」は、条件とセットで読む
温度を変えた実験 / オーストラリア・2016年
若い大人17人の実験では
部屋を17℃と22℃にして眠ってもらいました。パジャマと掛け布団の素材も変えています。パジャマの素材の影響は、部屋の温度で変わりました。掛け布団の素材では、はっきりした差は出ませんでした。[2]
調べた人も、服も布団も違います。ここから「年齢ごとの正解の温度」は決められません。
03 今夜からできること温度を変える前に、「いつ・どこが」を言葉にする
国の睡眠ガイドは、夏はエアコンで涼しくするよう、すすめています。冬は、布団を出たときの寒さにも気をつけるよう書いています。[3]暑さをがまんする必要はありません。そのうえで、次の3つを見てみましょう。
- 01
部屋全体が暑い
寝る前と、明け方で違いますか。
- 02
布団の中が蒸れる
背中だけ、重ねた部分だけ、など場所を確かめます。
- 03
体の一部が寒い
エアコンの風が当たっていませんか。
変えるのは、一度にひとつ。翌朝ひとこと残せば、「変わらない」も立派な記録です。二人で寝ていても、パジャマや掛け布団はそれぞれに合わせて選べます。
この記事で言えること
- 設定温度と布団の中の温度は、別のもの
- 「よい温度」は、人や条件で変わる
この記事では言えないこと
- 誰にでも合う「正解の温度」
- 特定の素材がいちばん良いということ(研究[2]はウール業界の支援あり)
まとめ
エアコンの数字は、布団の中の温度ではありません。まずは冷暖房で、無理のない部屋にしましょう。そのうえで、「いつ・どこが」暑い・寒いのかを分けて、ひとつずつ見直します。
この記事は、眠る環境を考えるための一般的な情報です。眠れない、日中の眠気が強いなどで生活に困っているときは、医療機関に相談してください。
出典と、この記事のつくり方
- Baniassadi A, Manor B, Yu W, Travison T, Lipsitz L. Nighttime ambient temperature and sleep in community-dwelling older adults. Science of the Total Environment. 2023;899:165623.
- Shin M, Halaki M, Swan P, Ireland AH, Chow CM. The effects of fabric for sleepwear and bedding on sleep at ambient temperatures of 17°C and 22°C. Nature and Science of Sleep. 2016;8:121–131.
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年9月一部修正)、良質な睡眠のための環境づくり。
研究[1]は暮らしの様子を調べた調査で、温度を変えて試した実験ではありません。研究[2]の湿度は約60%で、論文にはウール業界の支援と、著者の利益関係が書かれています。本記事は原論文をもとにした独自の日本語解説です。「今夜からできること」はSHINGU TANKの考えで、研究で効果を確かめた手順ではありません。運営:有限会社一誠。




