SHINGU TANK眠りと寝具を考える研究室

世界の睡眠研究ノート 02 / 光と暗さ

電気をつけたまま寝ると、
体にどう影響する?

執筆・編集:SHINGU TANK編集部資料確認:2026年10月15日読む時間:約4分

天井の照明がついた、夜の寝室のイメージ
※この画像はAIで作成したイメージです。論文の実験の様子ではありません。

寝る前に電気を消しても、眠っている間はどうでしょう。

廊下の明かり、カーテンのすき間。寝室には、意外と光が残っています。

この記事の答え

  • 眠っている間の明かりで、体の働きが変わる可能性を示した研究があります。
  • ただし20人・1晩の実験で、常夜灯が良いか悪いかまでは分かりません。
  • 「眠るための暗さ」と「夜中に安全に歩く明かり」を、分けて考えましょう。

夜中にトイレで起きるなら、真っ暗は危ない。でも、明るすぎるのも気になる。そんな迷いのヒントになる研究です。

01 研究眠っている間の明かりを比べた実験

2022年に、アメリカの研究チームが発表しました。[1]健康な若い大人20人を10人ずつに分け、実験室で2晩眠ってもらいました。

02 わかったこと本人は「眠れた」と感じていても、体は変わっていた

電気をつけて眠ったグループと、暗いまま眠ったグループを比べると、こうなりました。[1]

変わったこと(電気をつけたグループ)

心臓
眠っているのに、心臓の動きが速くなっていた夜の心拍数(1分間に心臓が打つ回数)が上がった
血糖
翌朝、血糖を下げる働きが鈍くなっていたインスリン(血糖を下げるホルモン)が効きにくい状態を示す数値が上がった

はっきりした違いが出なかったこと

  • 本人の「眠れた・眠い」という感じ方
  • 糖分をとったあとの血糖値
  • 眠りに関わるホルモン(メラトニン)

つまり、どういうこと?

本人は「いつもどおり眠れた」と感じていても、体の中では小さな変化が起きていた、ということです。気づかないうちに変わることがある。これが、この研究のいちばんのポイントです。ただし、1晩だけの変化なので、病気になるかどうかまでは分かりません。

03 今夜からできること寝た姿勢から、見える明かりを探す

国の睡眠ガイドも、眠っている間の光は抑え、夜中に歩くときは足元灯などで安全に、としています。[2]

  • 01

    寝た姿勢で見回す

    天井、廊下、カーテンのすき間。光はどこから来ていますか。

  • 02

    「眠る明かり」と「歩く明かり」を分ける

    トイレに行くときの足元灯は、安全のための明かりです。

  • 03

    ひとつ変えて、翌朝ひとこと

    カーテンを閉め直すなど。変えたことと、朝の感じを書き残します。

この記事で言えること

  • 眠っている間の明かりで、体の数値が変わる可能性がある
  • 眠気の感じ方と、体の変化は別のもの

この記事では言えないこと

  • 常夜灯や豆電球が良いか悪いか(調べたのは天井の電気・1晩・20人)
  • 「これより暗ければ安全」という明るさの数字

まとめ

眠っている間に天井の電気をつけると、体の数値に差が出た研究があります。ただ、常夜灯の良し悪しまでは分かりません。「眠るための暗さ」と「夜中に安全に歩く明かり」を、分けて考えましょう。

この記事は、眠る環境を考えるための一般的な情報です。眠れない、日中の眠気が強いなどで生活に困っているときは、医療機関に相談してください。

出典と、この記事のつくり方

  1. Mason IC, Grimaldi D, Reid KJ, et al. Light exposure during sleep impairs cardiometabolic function. PNAS. 2022;119(12):e2113290119.(原論文/PubMed)
  2. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年9月一部修正)、睡眠のための環境づくり。(PDF)

研究[1]はアメリカのノースウェスタン大学などのチームによるもので、米国国立衛生研究所(NIH)などの支援を受けています。著者らは、利害関係はないと申告しています。「差がはっきりしなかった」は「まったく同じ」という意味ではありません。本記事は原論文の要点を日本語で紹介した独自の解説です。運営:有限会社一誠。

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